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「安倍晋三の原点がわかる!」と帯にある。
現総理の祖父、昭和の妖怪、岸信介の評伝。
戦前、商工省官僚として満州で活躍し、商工大臣へ、
戦後は、A級戦犯容疑者として巣鴨プリズンへ入獄。
不起訴となり、戦後瞬く間に総理総裁となった。
政治資金をめぐる汚職の疑惑では、
FX商戦や賠償ビジネスが大きく取り上げられている。
人脈も金脈も極めて不透明な宰相でありながら、
安保改正によって、日米関係を双務的なものにし
戦後政治へ不可逆的な道筋をつけたのを知ることができた。
岸こそがその後の池田、佐藤内閣へ続く自民党の安定政権の礎をなしている。
安保改正を実現させるためには、安保反対のデモ隊制圧に自衛隊の出動も辞さない
強権的な政治姿勢と一方でアイゼンハワーの訪日断念という恥辱的妥協とを
演じてみせた政治家としての太い腹の座り具合に凄まじい迫力を感じた。
目的のためには手段を選ばないというリアルポリティックスは、
岸を嫌悪していた池田の支持を、次期首相ポストを担保に取り付けて
安保改正を成し遂げ、岸の築いたアメリカとの強い絆の元に
池田の「所得倍増計画」を成し遂げさせるという布石まで打つ周到さを秘めていた。
数万人の群集に包囲されながらも、官邸に立てこもり怒号に決して屈しない。
国民の不支持に斟酌なく政治的達成を得るのに必要なタフネスの在り処を記す一冊。
憲法改正や再軍備など、日本を国家として独立させようという強い理念。
岸総理大臣の悲願は、その後50年閑却されたまま
現在にいたっても、政治の根本的な問題として手つかずのままである。
追記
5年前に書いた記事です。
今は、孫の安倍晋三総理によって、憲法改正、再軍備が急ピッチにすすめられています。
岸−安倍を取り巻く、政治勢力の本当のところは、
この本にもちゃんと描かれていない。
巨魁―岸信介研究 (ちくま文庫)
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