信州読書会 書評と備忘録

世界文学・純文学・ノンフィクションの書評と映画の感想です。長野市では毎週土曜日に読書会を行っています。 スカイプで読書会を行っています。詳しくはこちら → 『信州読書会』 
Facebookページ
『信州読書会』 
YouTubeチャンネル
YouTubeチャンネル「信州読書会」
*メールアドレス
名前

 

2013年07月25日

オコナー短編集 オコナー 新潮文庫

Sponsored link








オコナーの「川」について。


ベビーシッター、コニンさんが
あるご家庭のお坊ちゃんハリーに
洗礼を施すために川に連れて行くというお話。



聖書を引用、参考にしつつ
キリスト教の奇跡を信じる善良な人と
信仰心の失われた現代の
埋めがたい溝をグロテスクなユーモアで書いた作品。



ハリーという坊やは、コニンさんにペヴェルと
名前を偽るクレヨンしんちゃんみたいな子。



この子は聖書の一説に従って、コニンさんの家を豚にがす。
この子をいじめる、コニンさんの三人の息子が、
カフカの作品に出てくるいたずら好きな脇役に似ている。


フラナリー・オコナー全短篇〈上〉 (ちくま文庫)

フラナリー・オコナー全短篇〈下〉 (ちくま文庫)



以下余談で、最近気がついた話です。


2006年に村上春樹が受賞した、オコナー賞というのは
フランク・オコナーというアイルランドの作家の業績を
記念して作られた、国際短編賞です。




なので、フラナリー・オコナーとは別人です。


フランク・オコナーは、岩波文庫から短編集出ています。







実は、調べていて分かったのですが
フランク・オコナーは、リバータリアリズムの始祖である
アイン・ランドの旦那です。


アイン・ランドは、FRB元議長のアラン・グリーンスパンが
『思想的母』と仰いだ女性作家だそうです。



1998年のランダムハウス/モダンライブラリーの
「アメリカの一般読者が選んだ20世紀の小説ベスト100」には、
『肩をすくめるアトラス』が第一位、『水源』が第二位に選ばれています。


日本では、最近知名度が上がってきました。
アインランドは、アメリカで非常によく読まれているそうです。



日本では、2000年代にようやく邦訳が出ました。
副島隆彦さんや藤森かよこさんがが熱心に紹介しています。


水源―The Fountainhead




肩をすくめるアトラス


リバータリアリズムは、アメリカで熱心な支持者のいる思想です。

ネオコンとは真逆の、民衆思想です。


クリントイーストウッドの映画作品が、
リバータリアリズムの影響の元に製作されていると
副島隆彦さんが指摘しています。



私も時間があれば読んでみたいで紹介したいと思います。



Sponsored link


posted by 信州読書会 宮澤 at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | キリスト教文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。