信州読書会 書評と備忘録

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2013年07月25日

あぶく銭師たちよ! 昭和虚人伝 佐野眞一 ちくま文庫

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「プチプチプチプチプチシルマ〜♪」ってご存知だろうか。
ゴールデンのCMで志村けんと研ナオコが出てるやつです。


あれっておもいきりネットワークビジネス、つまりマルチ商法まがいです。
最近はちらほら店頭販売してるけど、2年前ぐらいは一切店頭販売してなくて
怪しい個人代理店を通して50粒20000円とか、そんな感じの法外な値段で取引されてた。
以前に、私はプチシルマ体験会に連れて行かれて、ひどい目にあった経験がある。



体験会とは名ばかり、ベンツやシーマが並ぶ郊外の掘っ立て小屋で
ホストみたいなチャラいギャル男がサクラでいっぱいの異様な会場内。
「今日は新規3名です」ってひきこもりの学生みたいな人が無理矢理連れてこられてて
サクラの野郎が演じるインチキな体験談や与太話をえんえん聴かされていた。



例えば、ゲルマニウムのネックレスを巻いたレモンが半年腐らないよ、とか
体の重心が安定して血流がよくなるとか、胡散臭い実演を交えて説明され
挙句の果て、プチシルマの原料であるゲルマニウムの宝飾品を買わされて
さらに、お友達にも売るとお金が一杯入ってくるよという
ネットワークビジネスの勧誘で終わる。
これでは私は、去年1千万稼ぎましたよ! とギラギラした顔でおっさんが説得してきた。
彼がラスベガスで豪遊している写真まで見せられたので、走って逃げました。泣きながら・°・(ノД`)・°・


この体験会で最初に観せられたのが、「ズバリいうわよ!」で放映された


細木数子と渡哲也のトークである。
渡が最近ゲルマニウムブレスレットをつけたら体調がいいと、
細木に勧め、「私も欲しい〜どこで売ってンの」と細木が応えるシーンのビデオ。
番組進行に何の関係もなく、広告的ヤラセとしか思われない一連のやり取りだが、
これが志村のCMとともに、体験会でゲルマニウムの効用の権威付けに使用されていた。


さて、昨今の細木ブームとその後を追う週刊誌の細木バッシング
その先鞭をつけたのが御大、佐野眞一の「あぶく銭師たちよ!」である。


実際、初期の細木バッシングが週刊文春で掲載されたときに引用されたのは
本書所収の「大殺界の怪女・細木数子の乱調」というレポートだ。
これは初出が1987年8月号の文藝春秋なので、かなり早い時期の取材だ。



細木の生い立ち、その家系の複雑さ、闇社会との関係、島倉千代子事件、安岡正篤事件、
墓石屋、仏壇屋との霊感商法まがいの癒着などを暴き立てていて、その筆誅は今なお新鮮。



個人的には細木が三十歳くらいの頃、詐欺紳士に騙されて
十億の借金を背負った話が面白かった。
結局、修羅場をくぐった人間の人生相談であって、彼女のは占いじゃないよ。


ゲルマニウム商法の広告塔も買って出るのだから、彼女の闇の深さは測りがたい。
現在のTVの持ち上げようは罪深い。たぶんサッチーのときより罪深い。
その裏で若者に被害者を出していることを知るべきだと思う。


「プチシルマ」の製造元である株式会社レダと細木のつながりを
暴露する記事があったら読みたいです。


いずれにせよ、私をマルチ商法から守ってくれた一冊なのでお薦め。



あぶく銭師たちよ!―昭和虚人伝 (ちくま文庫)




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posted by 信州読書会 宮澤 at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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