信州読書会 書評と備忘録

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2013年07月25日

奇妙な旅 ドリュ・ラ・ロシェル 筑摩世界文学大系 (72)

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筑摩世界文学大系〈72〉ドリュ・ラ・ロシェル,モンテルラン,マルロー )

筑摩世界文学大系〈72〉ドリュ・ラ・ロシェル,モンテルラン,マルロー (1975年)


国書刊行会の「ジル」を読んで以来、虜になった作家が、ドリュ・ラ・ロシェル。
ファシストで対独協力云々と問題のある作家なのだが
日本の戦前の左翼転向問題と同じく
軽薄に言及できる問題でもないのでそれについてはコメントは控えたい。
独軍の捕虜だったサルトルの釈放を求めたり、マルローと仲がよかったり
ファシストのわりには情に厚いところがある。

昨夜、気になっていた「奇妙な旅」をようやく読了した。



主人公はドリュの分身 ジル。


ニヒルでいてそんなニヒルな自分を嫌悪するという
歪んだ倫理観で常に屈託している、ジル。


自分に折り合いのつかない人間、ジル。


最高にめんどくさい男、ジル。


そのジルが、ベアトリックスというお嬢様の気を散々惹いておいてすべて投げ出すという話。
会話がとにかく秀逸で、ジルはしびれるセリフを景気よく連発してくれる。



がしかし、「ジル」のほうが政治問題、宗教問題に深くコミットしている上に
恐ろしいほどグロテスクなブルジョアの退廃が描かれているので
それに比べてしまうと「奇妙な旅」は物足りない。

ハードボイルドが好きな人にはお薦め。


1945:もうひとつのフランス 1ー上 ジル 上


1945:もうひとつのフランス 1ー下 ジル 下


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posted by 信州読書会 宮澤 at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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