信州読書会 書評と備忘録

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2013年07月25日

秘められた物語/ローマ風幕間劇 ドリュ・ラ・ロシェル 国書刊行会

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1945:もうひとつのフランス 2 秘められた物語

1945もうひとつのフランス 2巻に収められたドリュ・ラ・ロシェル最晩年の作品。

「ローマ風幕間劇」は、主人公の私とハンガリーの公爵夫人エドヴィージュとの
交情を描いた私小説風の作品であるが、
未完成で、章ごと抜けたり、途切れている文章がある。


驚くべきは14章目で、まるでスタンダールのように作者自身の独白がはじまる。


『ここまでで筆を置くこともできるだろう。…(中略)…私が書いているのは、ひとえに、冬、火の気のない自宅のベッドに、もはや読書の阿片を吸うこともなく閉じこもっているからであり、もうほとんど生きてはいけないゆえに、生きたと思えるものに自分を託すよりほかに仕方がないからである。さらに、自分が実際には生きてこなかったことを確かめたいという自嘲的な意味もあって書いているのだ』



なにもなしえないという孤独感の中でまもなくドリュは自殺するが、
ローマでのアバンチュールは唯一の楽しみであったようだ。



『私の目にはローマは常にエドヴィージュを正当化するのだった』


連れて行った女性を正当化するローマ。
その魅惑をほんのちょっと描いた作品。







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posted by 信州読書会 宮澤 at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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