信州読書会 書評と備忘録

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2013年07月25日

蛙 アリストファネス 筑摩世界文学大系4


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筑摩世界文学大系〈4〉ギリシア・ローマ劇集 (1972年)



★あらすじ
ヘラクレスを騙って旅するディオニュソスとその召使クサンティウスの珍道中の劇。
ふたりは無銭飲食してアイアコスにつかまり鞭打たれるが、屁の河童。
途中、蛙のコロスが出てきて
「ゲゲゲゲゲッゴ、グヮアッコ、グヮアッコ」と鳴く。


やがて冥界へとくだると
そこへ、悲劇の一等の座をめぐって争って喧嘩しながら
アイスキュロスとエウリピデスが登場。


地獄の神プルートンの前で、ディオニュソスは
アイスキュロスとエウリピデスのレフェリーを買って出て、口喧嘩を裁く。


エウリピデスはアイスキュロスを
「プロメテウスみたいな野蛮人をうれしそうに描く大法螺吹き!」と罵る。


アイスキュロスはエウリピデスを
「たんぼの女神の息子。不倫の恋の輸入者で市民を毒した」と罵る。
(クリュタイメストラとアイギストスの不倫を描いた自分のことは棚に上げて…)
やがて、ふたりはお互いの作品のプロロゴス(第一幕)を罵りあう。


エウリピデスはアイスキュロスの『コエーポロイ』の
各行に二十ずつ欠点があると罵る。



アイスキュロスはエウリピデスのプロロゴスの浮薄さを
「油壷をなくした!」というギャグを6回くりだして揶揄する。
その上、エウリピデスの作品を散々引用して茶化した詩を披露する。


勝負は判定に持ち込まれディオニュソスはお互いの詩句を秤にかけて競わせる。
アイスキュロスが勝ち、彼はディオニュソス観客の待つ現実の世界へと連れ戻される。
アイスキュロスは、地獄での悲劇の一等の座は
ソフォクレスに譲るようにと捨て台詞を吐く。終り。




★感想
ひどい作品です。シュールでかなり笑えます。
全編ギリシア悲劇のパロディーで成り立っています。



解説によるとアリストファネスはイギリスでかなり評価が高いそうです。
研究書や翻訳も沢山出ているそうで。
私は読みながらベケットの作品を思い出しました。


『ゴドーを待ちながら 』『勝負の終わり 』は
明らかにアリストファネスの影響を受けて作られていると思います。
アリストファネスを尊重するイギリスの土壌がベケットを生んだと思います。
そういえば今年はベケット生誕100年でした。


面白いんですけど、悲しい気持ちになります。
大切な物をけがされたみたいな。


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posted by 信州読書会 宮澤 at 08:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ギリシア古典 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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