信州読書会 書評と備忘録

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2013年07月25日

トロイ戦争は起こらない ジロドゥ 筑摩世界文学大系84所収


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筑摩世界文学大系〈84〉近代劇集 (1974年)


ジロドゥ 鈴木力衛、寺川博訳



★あらすじ
トロイの王の次男坊パリスは
ギリシアの絶世の美女エレーヌ(ヘレネー、メレネスの妻)を誘拐。
怒ったギリシア勢がエレーヌを奪還するためトロイ沖に軍勢を進める。
エクトール(ヘクトール)は、トロイ戦争を回避するために、
エレーヌをギリシアに帰らせることを画策する
王プリモス、王妃エキューブ、妹のカッサンドル、ポリクセーヌ、妻アンドロマックと
家族会議を開き、とりあえずエレーヌをギリシアに帰すことにきめるが、
交渉に来たギリシアのユリッス(オデュセウス)の部下を手違いで殺してしまい
結局、戦争になるところで劇は終わる。


★感想
トロイ方の家族会議が中心の近代喜劇。
この家族会議の饒舌が楽しみどころである。


コロスの合唱がないと劇の音楽性が消えることがよくわかる。
音楽的な熱狂のないところに悲劇はない。
そんなことをニーチェも指摘している。



トロイには戦意高揚のための軍歌がないという設定となっている。
家族会議はソフィスト的な饒舌に溺れ、一向に要領を得ない。



ブラジヤックが『七彩』において、
ファシズムは軍歌を歌うことで生まれる同志愛によって、
育まれるという意味のことを書いていた。



軍歌を封殺することが、
戦争回避の可能性につながることを
私に教えてくれた喜劇。


ジロドゥの意図がどういうものであったかは私の非知浅学ゆえ不明。

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posted by 信州読書会 宮澤 at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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