信州読書会 書評と備忘録

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2013年07月25日

ポリュークト コルネイユ コルネイユ名作集所収 白水社


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コルネイユ名作集



★あらすじ
アルメニア総督フェリックスの娘、ポーリーヌの婿になった
ポリュークトは、友人ネアルクの勧めによってキリスト教の洗礼を受ける。



時のローマ皇帝デシーは、帝国統一のため
古ローマの神々信仰を奨励し、キリスト教に大迫害を加えていた。


かつてポーリーヌは、ローマの騎士セヴェールを愛していたが、
地位も財産もない彼との結婚をフェリックスが拒んだために
ポリュークトに嫁いだのであった。


ペルシアとの戦争で、敵の捕虜となったデシー皇帝を救い出し
名誉の戦死を遂げたといわれたセヴェールは、
敵をも賞賛させた武勲により、ペルシアで捕虜として厚遇され、故国に凱旋を果たす。


セヴェールはデシーの寵臣となって、アルメニアへ視察に訪れ、
かつての恋人ポーリーヌに再会するが、
フェリックスは、娘との結婚を拒んだことを
根に持ったセヴェールに仕返しされることを怖れる。


折しも、神殿でジュピター(ゼウス)を敬う祭儀が執り行われ、
キリスト教に入信したポリュークトとネアルクは
異教徒の祭儀として、祭壇をぶち壊しにした。
フェリックスは激怒し、ネアルクを処刑、皇帝の寵臣セヴェールの手前、
ポリュークトの処置を迫られ、ポーリーヌのために
彼の改宗を説得するが果たせず、ポリュークトを処刑するが、
罪の意識からフェリックスは、娘のポーリーヌともどもキリスト教に入信する。
セヴェールは彼ら殉教者に心を打たれ、皇帝の意向に背き彼らを許す。

★感想
ブラジヤックの『七彩』の各章に『ポリュークト』の一節が
エピグラフとして律儀に掲げられていたので読みました。



ブラジヤックは周到な考証に基づいたコルネイユの評伝を書いているそうで、
コルネイユ研究にあたっては、現在でも看過できない一冊になっているそうです。


ちなみに、彼はアイスキュロスの『テーバイ攻めの七将』の題材にもなった
エテオクレスとポリュネイケスの兄弟葛藤の悲劇を
戦後のフランスにおける対独協力派とレジスタンスの反目に置き換えて
『兄弟の戦い』(本邦未訳)として作品化しているそうです。
(以上は福田和也の『奇妙な廃墟 』のブラジヤックの稿を参照。)




『七彩』と『ポリュークト』の影響関係は
残念ながら私の力量では端的にまとめることができません。


『ポリュークト』は自己犠牲を厭わない気品の高い登場人物しかでてこない
清潔この上ない悲劇であり、個人的にはやや感興は薄かったですが、
キリスト教殉教者の悲劇としては、完成度の高いものだと思いました。



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ラベル:コルネイユ
posted by 信州読書会 宮澤 at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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