信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月15日

トロイ


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『イリアス』は梗概しか読んでいないのだが、『イリアス』『オデュセイア』を原作とし
アキレスとヘクトールの対決に焦点を当ててトロイ戦争を描いた映画。
それぞれの役はブラピとエリック・バナが演じていていて、まあまあよい。

まあ、ギリシアの神々の戦いへの介入というものを
一切、無視して作られた映画なので、ホメロスおよびギリシア悲劇のような
神々と人間が混在する世界のカオスがなく、性格描写の平板さは、やや、やりきれない。
要するに、気まぐれな神々に翻弄される人間の運命が描かれていないので退屈。

なんだかトロイ戦争が近代戦みたいにされている。
そういう意味で、アカイア勢のトロイア上陸作戦のシーンは
ノルマンディー上陸作戦を描いた
『プライベートライアン』と本質的にはかわりがない。
ただ、戦闘シーンはアメフトのような肉弾戦である。結構迫力あり。

・役者について


ヘレネ→   ただのスーパーモデル。期待はずれ、はなはだしい。がっかり。
       顔立ちは整っているが、男を狂わせる天衣無縫の妖艶な魅力は
       1ミクロンたりともない。こてこてしたイタリア人の女優を使うべき。

アンドロマケー → マイケル・カヤニコス監督の『トロイの女』の
          ヴァネッサ・レッドグレイプのほうが数倍よい。

アガメムノーン → 完全に悪役にされている。ただの因業オヤジ。絵面が汚い。
          アガメムノーンがアメリカ巨大企業の会長みたいにされている。
          たとえば、アイアコッカみたいな企業戦士。
          もう、かんべんしれくれよ!! まったく!! という印象。

パリス → やさ男でよかった。イメージどおりかも。坊ちゃん。
      昔アップルにいた、スカリーみたいな企業戦士の印象。

パトロクロス → この人はやさ男じゃまずいんじゃないか?

プリアモス → ピーター・オトゥール。無意味に贅沢なキャスティング。
        だが、なんだか頼りない。もったいない。

カサンドラー、ヘカベー → 出て来ない。美の競演はこの映画の主題ではない。残念。

ギリシア悲劇が好きな人間にはお薦めできない映画ではある。
アメリカ人が製作するのはやっぱり無理。

問題なのは、トロイ戦争が企業の買収合戦みたいなっていることだ。
働きすぎのエスタブリッシュメントたちの派閥闘争になっている。

こう考えると、パゾリーニの退屈な芸術性のほうが
ギリシア悲劇の映像化としては、はるかに心に残るものがある。
少なくとも、ギリシアの神々を顕在させる雰囲気を作ろうとしている。

ただ、ブラピが好きな人には、この映画は必見である。
肉体美を誇っている。アキレス腱に矢が刺さって痛そうだった。


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posted by 信州読書会 宮澤 at 14:47| Comment(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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