信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月15日

社長太平記






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★あらすじ
太平洋戦争で海軍二等兵だった牧田(森繁)は、
戦後、婦人下着会社の錨商事一族の婿養子となり社長に就任する。

巡洋艦の艦長だった朝比奈(加東大介)を総務部長、
下士官であった大森(小林桂樹)を専務という具合に、
かつての自分の上官を会社に招き入きいれ、
大手デパートの婦人もの仕入担当、間(有島一郎)を
篭絡するために、夜の接待を重ね、
いいくらかげんに、ライバル会社としのぎを削る。


最後に、錨商事の工場が火災にあうが、
加東大介の陣頭指揮により会社は窮地を免れる。

★感想
実は植木等の『ニッポン無責任時代』と並行してみたため、


混乱してしまい、あらすじをよく思い出すことが出来ない。
とくに由利徹がどっちにでていたかわからなくなった。
松林宗恵監督。笠原良三脚本。1959年公開。


社長シリーズとして20作以上製作されている。
基本的に森繁は、狂言回しに徹しており、周りの俳優の演技を


全部うけきって、映画全体に森繁のリズムというべきものを生み出している。
ただ、御大は自然な小芝居を、カットの切れ目切れ目に入れてくるので油断ならない。
なので、見ていて飽きない。かなり面白くて、全シリーズ観たくなった。



まあ、この映画を観た後に、昔読んだ小林信彦の『日本の喜劇人』の
第三章『森繁久弥の影』を読み直してしまった。
森繁という存在の新しさと、後進への多大な影響を論じた小論である。


小林信彦の批評は、個人的な好悪を、ハッキリさせすぎるためか
フェアな感じがしないのと、玄人ぶった自惚れともったいつけがあって、
正直、読んでいて、うんざりするし、懐古趣味がなければ、読後もただ不快である。
この人は、喜劇の見巧者として自分の大半をアイデンティファイしていて、
その自負というものにつき合わされるのは、読者としてシンドイものがある。


ただ、脇役で出ていた、三木のり平や有島一郎、山茶花究のことなども
かなり突っ込んで書いているので、知識欲は一応満たしてくれる。
三木のり平が、下着姿で踊るところや、有島一郎がカンカンを踊るとこなど面白い。



映画の冒頭、二等兵時代の森繁が、飯を喰うのが早すぎて、下士官小林桂樹
員数をつけられ制裁を受けかけ、艦長の加東大介に救われるシーンがあるのだが、
これがあるからこそ、戦後のヒエラルキーの逆転が明瞭になり
森繁の社長としてのいかがわしさが一層、際立つ。このシーンだけでも見る価値がある。

DVD特典に松林監督のインタビューがあり、森繁を絶賛している。



社長太平記 [DVD]


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ラベル:森繁久彌
posted by 信州読書会 宮澤 at 14:22| Comment(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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