信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月15日

ブライヅヘッドふたたび イーブリン・ウォー 吉田健一訳 ブッキング その3

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セバスチャンとともに夏休みを過ごしたチャールスは
新学期の始まる秋から、深い倦怠に包まれる。





彼らの奇矯な友人の一人である、アントニー・ブランンシュが、
退学したことで、アントニーを取り巻いていた未熟な青年たちは、
一般人の群れに戻っていったために、チャールスは余計に孤独になる。


それは、セバスチャンとて同じであり、彼らは銘々、
友人たちの交際を必要最小限にし、孤独を愛するようになる。



まもなくして、チャールスは、セバスチャンの妹、ジュリアと再会し、
彼女のボーイフレンドであるレックス・モットラムと出会う。
彼はカナダの代議士で、カナダのヨーロッパ派遣軍の元軍人だった。




ジュリアは彼を、誰に対してもその頃のジュリアは
そうだったように、幾分軽蔑しているのが感じられたが、
それと同時に彼に対してかなり我がままに振まった。




食事の途中で彼女は一度、煙草を取りに彼を車まで行かせ、
彼が、あまりにも大きな口を利くと、
「この人は植民地の人間ですからね、」と言って
彼のために弁解した。


これに対して彼は、大笑いすることで答えた。


こんな感じで、レックスは成り上がりの俗物なのだが、
セバスチャンとチャールスは、軽蔑している彼のような人物の
主催する慈善舞踏会に、皮肉にも招待され、冷やかしで出かける。
シャンパンを飲むだけ飲んで、開会前にバカらしくなって抜け出し、
チャールスらは、マルカスターが昔一度行っただけの売春宿に出かけて、
売春婦を同乗させ、ホテルを探して、酔っ払い運転しているうちに


危険運転で警官に逮捕され、一晩ブタ箱に入れられる。


結果、軽蔑しているレックスの政治力により留置場から救い出される。
兄セバスチャンとチャールスが同性愛者だと疑っていたジュリアは
疑惑が晴れて、逆に、彼らへの尊敬の念を深める。



★感想
軽蔑している人間の世話に、警察がらみで厄介かけるほど、
世の中で恥ずかしいことはない。それも下半身の事情で。
思い出すだけで死にたくなるような若気のいたりの恥辱を、
まざまざと小説化してくれた一節である。




「誰に対しても幾分軽蔑的な女性」の魅力というのは、
昨今、男性にとって、よく論議される問題である。
とりあえず、ジュリアはツンデレ。


ブライヅヘッドふたたび


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posted by 信州読書会 宮澤 at 14:21| Comment(0) | イーヴリン・ウォー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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