信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月15日

蝶々の纏足・風葬の教室 山田詠美 新潮文庫


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★『風葬の教室』あらすじ


都会から田舎の小学校に転校して来た本宮杏は、やがていじめを受ける。
かわいい彼女が体育教師、吉澤先生のお気に入りとなったことに
嫉妬したクラスメートの美恵子が、いじめの張本人であった。


杏は陰湿ないじめの数々に耐えられず自殺しようとするが、
遺言をしたためた夜に、姉が、同じようないじめにあって、
周囲を軽蔑し欲望の赴くままに生きると決意することで、
いじめを克服し、立派な不良少女になったのという話を聴く。


その話にカタルシスを得て、勇気づけられ、杏は自殺を思いとどまる。
かくして、彼女は周囲のダサいものすべてに中指を立てて生きはじめる。

★感想
山田詠美を初めて読んだ。ジュブナイルとしては巧い。

中学生時代の教室の嫌な雰囲気は思い出した。
周囲は醜かったが、自分もそれに劣らず醜かった。
中学生というのは、人生で一番醜い生き物である。


新約聖書に以下のようなイエスの言葉がある。

<死にたるものにその死にたるものを葬らしめよ>
すなわち「過去に過去を葬らせよ」という意味である。


読者に、過去の醜い出来事をやたらに追体験させる小説というのは、
つまるところ、小説の著者が未だに過去にかかずらっていることを証明している。



大人であるというのは、かっこいい振る舞いをできることではなく
過去を一顧だにしない強さとともに生きることだと思う。
創造の営みは、そういう強さとともにあるべきではなかろうか?


なんて思った。


蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)


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posted by 信州読書会 宮澤 at 14:03| Comment(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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