信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月15日

アメリカの夜 阿部和重 講談社文庫


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★あらすじ
映画学校を卒業してアルバイト生活を送る中山唯生。
主人公の私は、とりあえずそう名付けた中山唯生の
脳内独白と、彼の巻き起こした事件を語る。

★感想
久々に読み直したら、かなり笑った。
中山唯生の独白がすべてパスティーシュで構築されていて、
引用された諸作品のことを知っている読者には、かなり面白く読める。


プロットがあるので、高橋源一郎の『さようなら、ギャングたち 』よりも読みやすい。
青春の煩悶とドラマを、パスティーシュでもって叙情的に描いたことがすごい。
ただ、これは、田中康夫の『なんとなく、クリスタル』のように
たくさん注をつけて出版すべき小説のような気もした。


主人公が、現実と虚構を混同して生きていることに、自覚的だという意味で
アナトール・フランスの『シルヴェストル・ボナールの罪』に似ている。

こういう作品を、また書いてほしい。
もう書かないのかな。書かないだろうな。
魅力的なパスティーシュがなければ、平凡なプロットしか残らない作家だと思うけど。

アメリカの夜 (講談社文庫)



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ラベル:阿部和重
posted by 信州読書会 宮澤 at 13:59| Comment(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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