信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月15日

水の女 中上健次 講談社文芸文庫

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中上 健次 水の女
★「水の女」あらすじ


闇屋の桑原から女を寝取った富森は、


日がな一日、女に酌をさせ酒を呑み、


博打をうち、若衆と力比べし、暮らしている。


夜は、女とひたすらまぐわう。





ある日、博打で大敗した富森は、


金を調達しようとするが、うまくいかないので、女を遊郭に売る。








★「赫髪」あらすじ


トラック運転手、光造が、ヒッチハイクで拾った女と同棲する。


神代辰巳監督で『赫い髪の女 』として映画化された。


昔ビデオで観たが、内容は全く覚えていない。





★感想


中上健次の評論『物語の系譜 』の上田秋成の章に、


『水の女』を古井由吉と後藤明生の合評で揶揄されて、


珍しく自意識過剰に、中上健次が怒り狂っている文章があった。


どれほどのものかと思って『水の女』を読んでみたが、


やっぱりよくなかった。





1979年の短編集だが、この頃から、なんだか中上健次の描く


主人公の背丈が急に伸びたというか気がする。


リアリズムもなくなり、寓話めいた非歴史的な小説が多くなる。





「水の女」は、川辺に住んでいた女だから「水の女」である。


その背景にだけ、中上健次の描いたリアリズムの担保としての被差別がある。





それ以外は、その後、延々と繰り返されるパターンが揃い踏みである。

無軌道な若衆、荒ぶる朋友、多淫な女、露骨で退屈な性描写などなどである。





そして、夜郎自大な自意識がドカジャンを着て歩いている。


そこに共感できなければ、中上健次の小説は読まないほうがいい、と改めて感じた。

水の女 (講談社文芸文庫)



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ラベル: 中上健次
posted by 信州読書会 宮澤 at 13:27| Comment(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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