信州読書会 書評と備忘録

世界文学・純文学・ノンフィクションの書評と映画の感想です。長野市では毎週土曜日に読書会を行っています。 スカイプで読書会を行っています。詳しくはこちら → 『信州読書会』 
Facebookページ
『信州読書会』 
YouTubeチャンネル
YouTubeチャンネル「信州読書会」
*メールアドレス
名前

 

2013年06月13日

集金旅行 井伏鱒二 新潮文庫


sponsored link





集金旅行 (新潮文庫)


★あらすじ
望岳荘というアパートの主人がなくなった。彼は、主人公の将棋仲間であった。
主人の女房は、アパートの住人と逐電してしまって行方不明である。
主人のひとり息子の勇太には身寄りがないうえ、
アパートが抵当に入っており、債権者から利息の催促が来る。


主人公は、アパートの住人から、家賃を滞納して出て行った
元住人の名簿を渡されて、滞納金を集金してきて欲しいと頼まれる。
そこで、同じくアパートの住人であるコマツさんという
たいそう美人の中年の独身女性とともに、ふたりで集金旅行に出かける。


コマツさんの同行は、彼女と関係のあった男達から慰謝料をせしめる目的であった。
集金旅行で、行き先がたまたまかぶったので、同行を申し出たのだ。
かくして、謎多き女コマツさんと主人公の不思議な集金旅行の模様が描かれる。



★感想
岩国〜福岡〜尾道という旅程を描いた、ロードムービー風の小説。
中年女性コマツさんが、艶っぽくて、かなり興味をそそられる。
『珍品堂主人』の蘭々女なんかに通じる、えたいのしれない女性である。


彼女の独特の男性遍歴と、独善的な性格が明らかになってゆく。
こういう女性像を描く井伏鱒二はやはり只者ではない。
エロチックすれすれの情景が心憎い。胸騒ぎさせられた。





男と女が同じ旅館に泊まり転々とすれば、いずれしっぽりとなるのだが、
いろいろと邪魔が入って、一筋縄ではいかない。


主人公はあくまでも集金旅行と、心に誓って、恬淡としているのだが、
最後に臍を噛む。この場面が、読者を、むむっと唸らせる。
未見だが、映画化されている。『集金旅行 』

集金旅行 [VHS]


sponsored link






posted by 信州読書会 宮澤 at 12:42| Comment(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。