信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月11日

囚人狂時代 見沢知廉 新潮文庫


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新右翼民族派のリーダーとして
1982年の英国大使館火炎瓶ゲリラ、スパイ粛清事件に関与し
全国に指名手配され出頭し、政治思想犯として懲役12年を受けた著者の獄中体験記。
殺人犯が八割、超凶悪犯だらけの刑務所の生々しい実態が描かれている。



拘置所内での三越元社長の岡田茂氏やホテル・ニュージャパンの横井英樹氏の印象
また、刑務所でのあさま山荘事件犯人やその他凶悪犯の生の印象が描かれている。
どれも個性の強い人ばかりなので、かなりインパクトがある。


興味深かったのは、昨日紹介した日垣隆氏の
『そして殺人者は野に放たれる』でも判決が問題視されていた
新宿バス放火事件の犯人、丸山博文と
著者の共犯者が獄中で出逢い、伝聞した彼の様子が描かれている。



6人が死亡し14人が重軽傷を負った新宿バス放火事件は、
精神鑑定で丸山の心神耗弱が認定され、無期懲役の判決となった。
彼は獄中でも会話が成立せず、奇行が目立ったが、おおむね穏やかだったそうである。
ときどき夜中悪夢にうなされ悲鳴をあげたが、
どんな夢にうなされていたかは、一度も口にしなかったそうである。
(なお、彼は1997年に獄中で首吊り自殺している。)


著者は思想犯としての誇りがあり、事件に対しての反省の弁はないが、
10年以上の受刑者にとって獄中は精神的に相当過酷な状況であることは確かである。
その部分を、笑い飛ばして描かれていることは無気味な迫力がある。
(見沢氏は出所後も拘禁後遺症に苦しみ、2005年自殺している)


精神病囚が入獄させられる八王子医療刑務所の実体験と観察は壮絶である。
殺人犯に関する様々な観察が面白おかしく描かれている。


被害者からすれば不謹慎極まりないが、
それでも、刑務所という場所はストレスも多く、人間関係も泥沼で
狂気に追い込まれる場所であることがわかる。


囚人狂時代 (新潮文庫)


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ラベル:見沢知廉
posted by 信州読書会 宮澤 at 11:45| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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