信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月11日

トロイアの女たち サルトル サルトル全集第33巻 人文書院


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サルトル全集 第33巻 トロイアの女たち


エウリピデスの『トロイアの女』をサルトルがフランス語で脚色したもの。
なので、話は90%同じ。単なる翻訳。
それをさらに日本語の翻訳で読むのだから完全に無意味な読書だった。



『蝿』のような実存主義的脚色を期待したが、そういうのは一切ない。
『蝿』は長州力ばりに、「実存主義のど真ん中を見せてやる!!」だったのに・・・


半時間で読み終えたが、なお途中、何度か壁に投げつけるのを我慢した。


1965年に上演され、大成功を収めたらしい。サルトル生前、最後の戯曲。
ギリシアをヨーロッパに、トロイをアジアに喩えて、植民地主義の横暴を批判し
フランス領アルジェリアの独立やベトナム戦争反対を
暗に支持したという牽強付会な読みも可能。
上演にはそれなりの政治的意味があったのだろうが、
住宅ローンの溜まったサルトルが、エウリピデスで一発当てにいったような気がしないでもない。





サルトルに裏切られた気持ちでいっぱいである。
作家的良心の呵責はないのかと個人的に思った。
サルトルの挑発的でもったいぶった偉そうな序文は、
期待をもたせるので、読了後に私の怒りの導火線に火がついた。
サルトルがアイスキュロスからエウリピデスに逃げた一冊。
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タグ:サルトル
posted by 信州読書会 宮澤 at 11:35| Comment(0) | フランス文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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