信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月11日

ムッシュー・テスト ヴァレリー 岩波文庫


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★あらすじ
ささやかな株取引で生計を立て、本も読まないし哲学者でもない
ただ純粋に精神的なテスト氏という人物をめぐる思弁小説
テスト氏とその友人を登場人物とした小説、友人からの手紙、
テスト氏の妻による手紙、作者が書いたテスト氏の肖像的素描、
テスト氏自身の手によるの断章からなる。


★感想
第一章の小説『ムッシュー・テストと劇場にて』は、
小林秀雄によって『テスト氏の一夜』として翻訳されている。
小林秀雄をはじめ多くの評論家、批評家に影響を与えた。


特に、25歳無職の花田清輝が職安のベンチでこの本を読んで、
これなら自分にもかけると思い、就職を断念したエピソードは高名。


漠然として語りがたい感覚的な事象を表現する手腕は卓越している。
鞭で打たれたような痺れを感じる。さすが、詩人だとは思う。
でも、いやらしくなるので断章は引用しないことに決めた。
テスト氏は、ヴァレリーによって仮構された精神的貴族。



どんな人かというと、
神父に言わせると「神なき神秘家」
テスト氏の妻に言わせると「スフィンクス」
テスト氏の友人に言わせると「証人」
私に言わせれば、「カフカの断食芸人」
神を延長として見出さない「デカルト」
野垂れ死にしない「ボーブランメル」
などなど。


よくわかんないけど存在感のある人。
言語の唯物論的認識から生まれた作品だそうだ。(誰がそう書いたかは忘れた)
難解なのでお薦めできませんが、とりあえず文庫化されて手にとりやすくなった一冊。


ムッシュー・テスト (岩波文庫)


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タグ:ヴァレリー
posted by 信州読書会 宮澤 at 11:33| Comment(0) | フランス文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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