信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月10日

月山・鳥海山 森敦 文春文庫

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★「月山」あらすじ
山形県の大網という村落にやってきた主人公は、
寺の住職に世話になりそこで一冬過ごす。
雪に閉ざされた村は、密造酒で生計を立てている。


この村の性と暴力の匂いのするおどろおどろしい土着的風習が描かれ、
衝撃的だが、すべてを抱擁する月山の幽玄な存在によって浄化される。


森敦ははじめて読んだのだが、
非人間的な土着の風習と農村の貧困の日常を描いたという点で
深沢七郎の「楢山節考 」の世界に近い。
他作品も読んでみようと思った。



寺に、昔あった坊さんのミイラは木食上人が断食のはてに即身仏なりおおせた物でなく、
他所からきて行き倒れた乞食を、はらわたをぬいて、燻製にして、即身仏にしたもので、
寺の経営を支える目玉にするために偽造したというエピソードが語られている。



東北ならずとも、このようなエピソードは田舎にはあるもので、
長野でも昭和の初期まで、行き倒れの乞食を祭りの生贄にしていたなんて話を耳にしたことがある。


村の生活の貧しさやうしろめたさが語られるほどに
対照的に月山の美しさが際立つという小説。


発情して暴れだした牝牛のために
タネをとりに吹雪のさなか街へ出かけていった
源助じいさんはその後、村に帰ってこれたかどうかが不明。気になった。


第70回芥川賞受賞作。地味ながら味わいのある作品なのでお薦め。
『月山』の寺のモデルとなった注蓮寺の隣には森敦文庫があるそうです。ぜひ行ってみたい。

注蓮寺HPはこちら↓ 即身仏のちょいグロ写真もあり。

http://www.ques.co.jp/yudono/cymenu.htm


月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)

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posted by 信州読書会 宮澤 at 13:16| Comment(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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