信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月10日

ユリイカ

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期待していなかったので長いこと観なかったが、
観てみるとすべてが“さりげなくて”よかった。
映画で“さりげなさ”に徹するのは勇気がいると思う。
映画館で観ればよかったと後悔した。


217分という異様な長さが贅沢な映画だと思う。


これが130分ぐらいだったら、
中上健次の諸作品やテオ・アンゲロプロスの『霧の中の風景』の影響ばかりが
目に付いて『Helpless 』くらいやりきれなくなるところだが、


限りなく映画を間延びさせてストーリーを膨張させ
さりげなさを引き立たせたおかげで、
青山真治監督はオリジナルな境地を開拓していると思う。
ジム・オルークの『ユリイカ 』がラジカセから流れるシーンも
それを聴く役所広司とまったくのミスマッチで新鮮だった。


バスジャック犯人役の利重剛には説得力はなかったが、
役所広司が斉藤陽一郎殴るシーンは非常に説得力があった。


あらすじは、バスジャックにあったバス運転手と兄妹が
事件後、社会生活を営めなくなって共同生活をはじめ


やがて、おんぼろバスで旅に出るというロードムービーなのだが、
この旅自体に何の目的もない。


宮崎あおいが海に浸かるシーンは、
『渚のシンドバッド 』のラストシーンを思い出させた。


ラストシーンで宮崎あおいが崖から飛び降りるかと思いきや
戻ってくるのをヘリコプターで撮影シーンしたのは贅沢。
宮崎あおいが役所広司のもとへ戻ってきたところで映像がカラーになる


ささやかな「救い」を、ものがなしいカラー映像の中に定着させた映画。お薦め。




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タグ:ユリイカ
posted by 信州読書会 宮澤 at 13:14| Comment(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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