信州読書会 書評と備忘録

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2013年06月10日

雑誌記者 池島信平 中公文庫


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戦時中の文藝春秋編集長であり、戦後に文藝春秋の社長になった
池島信平の雑誌編集者としての経歴を綴ったもの。



池島信平は世界に類のない雑多な綜合雑誌『文藝春秋』を
菊池寛の下で国民雑誌にまで育てた人物である



池島信平の名を知るようになったのは、吉行や安岡のエッセイで名前を
何度か見かけたのが、きっかけだった気がする。


菊池寛、佐佐木茂索、坂口安吾など作家のエピソードが興味深いが、
一編集者の目から見た太平洋戦争の記録としても読める。


戦時下にまがりなりにも言論の自由を貫いたことが、
『文藝春秋』の戦後の発展につながっているようだ。
横光利一の葬式のくだりが印象的だった。


『今日の文学者の葬式から見れば、横光さんの葬式は簡素なものだったが、会葬者はとだえることがなく、そのなかには、椎名麟三、梅崎春生氏などの姿を見た。見ていると、焼香している椎名君や梅崎君のズボンのお尻に継ぎがあたっている。それをみてわたくしはほほえんだ。ここに文壇の鬼才(?)が世を去り、眼前に戦後の新しい作家が生まれようとしている。この推移を見とどけるのがわたくしたち編集の仕事である。この若者たちはやがて文壇に乗り出して、そうとうな地位を占める人だが、この日の姿をわたくしは忘れたくないと思っていた。』

文藝春秋社っていうのは、いつから
今みたいなエセ保守の巣窟になったのだろう?

雑誌記者 (中公文庫 (R・16))

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ラベル:池島信平
posted by 信州読書会 宮澤 at 13:13| Comment(0) | 自伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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